製品

⑧マルチSteamer

pro_img_07_01.jpg

マルチSteamerでSpeed up! K280g×強化200g×K280gを対象としました。

厚物・強化中しんがマシン(MAX)までどうしてSpeed upするのか?
 WF構成のA段とB段裏ライナの接着に着目。特に裏ライナ(通称アンコ)の温度(80~85℃)にヒントを得た。厚物(K280g)ライナは薄物(C160g・K160g)より紙の熱量が大きく、(糊化が早い)しかも糊の浸透が遅いため、高温(100℃)ライナは糊足が入る前に生糊が糊化してしまう。逆に表ライナを低温(糊化温度と同じ位の55~60℃)にすれば、糊が浸透するタイミングができます。(ここが重要なポイントと考えました。)D/F接着層の想像図に示すように、接着には浸透水分層が大切です。糊足は水分の浸透と共に原紙の繊維の中へ食い込んでいく。また表ライナが持っている含水分(7~8%)も浸透接着に有効的である。一方片段の段頂に塗布された生糊はマルチSteamerの湿った高温蒸気(120~125℃)を吹き付けられて、半糊化されながら熱盤の中に入り込んで表ライナと貼合される。中しん及び表ライナに浸透水分層が大きいほど糊化後の糊層をより早く乾燥が促進できるので、マシン能力の100%(250m/分)貼合が可能となった。(ここが重要なポイント)反りは下反りを心配したが、6回(5社)テスト貼合したがほぼフラットであった。

[2005 全国段ボール工業組合連合会 段ボールセミナーで発表したものです。]

尚)テスト的に表ライナを通常の高温(100℃)で、マルチSteamerを使用し、250m/分で貼合したところ、バリ付き(表面接着)が発生、スリスコによる両端の耳はがれがあり失敗した。また、表ライナを低温(60℃)にすれば、マルチSteamerを使用しなくても通常の厚物貼合速度より10~20%のSpeed upが確認できた。

 

1